闘病記録TOP 【1】病気の経緯 【3】入院中〜退院 【4】退院〜現在



皮膚科の検査結果(11月17日)。

検査の結果はやはり思っていた通りに癌でした。
悪性の皮膚癌で、
パジェット病(ページェット病)との診断でした。

■【パジェット病という皮膚癌】
■Paget's disease
■パジェット病


足の付け根の「シコリ」に関しても、この癌が飛んで、リンパ節を肥大させている可能性が
あるのではないか、というのが教授の見解でした。

癌の進行はゆっくりとしたものではあるけれど、やはり手術が必要との事。
皮膚癌の場合は広範囲にわたり切除しなければいけないので、
かなり大掛かりな手術だと思って下さいと言われました。

また、平面的な場所ではなく複雑な形の場所であるので、皮膚の形成が必要な事、
「シコリ」切除もあるので外科も関わるとの事から、
皮膚科・外科に加え、形成外科も加わるようになります、と言われました。

****************************************

形成外科では、外陰部の手術は教授が執刀するらしいのですが、
本日の教授の外来は休みという事で、医師に診察をして頂きました。

ここの形成外科はかなり優秀で、性同一性障害の手術もする病院(科)なのです。
性同一性障害の手術が行える病院は日本に9つしかないらしく、その中の1つが
この大学病院の形成外科(教授)なのです。

皮膚科の大きな手術は形成外科が担当し、術後の回復を皮膚科が担当する流れが
一般的(この病院では?)だそうです。
また、しこりの切除も形成外科で出来るので、全ての手術を形成外科で担当するように
なるかもしれないと説明を受けました。

形成外科で説明を受けた手術方法です。
こちら

ちなみに外科はと言いますと、病名が下されたという事で抗癌剤治療が停止になりました。
また、担当も外科から皮膚科に移行しました。

****************************************

12月14日(火)が手術日に決定した為、12月11日(土)皮膚科病棟に入院。

長期入院になるという事、12月という忙しい月である事などから、
病人でありながら、超多忙の1週間を過ごしていました。
「入院なんてしている場合じゃないのよね」などと言いっていました。(笑)

今日は入院だけだから、付き添いは私だけでいいと言いましたが、兄も一緒に行ってくれました。
あの兄が。w( ̄▽ ̄;)wワオッ!! (分かる人には分かりますよね?笑)
口下手で冷たいところのある兄ですが、優しかったりするんです。(* ̄m ̄)プッ

母の病棟は最上階にあって、朝は朝日、夕方は夕日、夜は夜景と
景色には恵まれている環境です。(ここが病院でなければ最高なんですけどね)

11日の晩御飯から、手術に向けた食事になります。(リコポン食)
12・13日でお腹の中を空っぽにして、手術の日を向かえます。
(固形物は禁止、飲料水は何でもOK)

****************************************

12月12日

T字帯2枚、オムツ3枚、飲料(水・ジュース)、バスタオル3枚を手術前の準備として、
用意しておくよう言われていたので、早速買って持って行きました。

****************************************

12月13日

病室へ行くと「明日の
手術は一旦停止になったの。さっき先生が来て言ったの」と。
現時点での手術はリスクが大きく、抗癌剤投与を開始するとの事でした。

体にメスを入れないと言う事はいい事なのか?抗癌剤?などと、色々な事が頭の中を
グルグルと駆け巡りました。

****************************************

12月14日か15日かな?(忘れてしまいました。m(_ _)m)

面会の帰りに形成外科の先生にエレベーターでバッタリ合いました。

皮膚科から詳しい説明があると思いますが、
今現時点での手術は無理があります。
肺に小さな影が見える事と、お腹の中のシコリが奥深く数個ある事などから、
手術をするとかなり大きい手術になってしまいます。
これは例えですが、手術をした事によって3年生きられる命が1年に縮まる可能性があります。
ですので、現時点では手術よりも抗癌剤や放射線治療がいいと考えています。

このような説明をもっと詳しく、色々と教えて下さいました。

****************************************

12月16日

考えても仕方の無い事なのですが、悪く悪く考えてしまうのが人間。
昨日は母も私も眠れない夜でした。

夕方に担当の先生が母のところに寄って下さいました。
ある程度の話を形成外科の先生に聞いた事、手術でリスクがあるとはどういう事かを
聞いてみました。

要は、
お腹の中の奥深くにあるシコリが原因との事でした。
シコリが思ったよりも数あり、骨盤の奥深くにあるので、かなり大掛かりな手術になってしまう。
手術をしても全てを取りきる事は出来ないだろう。
シコリが複雑な場所にあるから、骨盤の一部を削らなくてはいけなくなるかもしれない。
このような事から、教授を始め先生方の話合いで、まずは抗癌剤治療しようと言う事になった。
抗癌剤で様子を見ながらシコリが小さくなるのを待ち、手術または放射線治療に切り替える。

そのようなお話でした。また、先生はこうも言って下さいました。

入院してからカルテを全て見させて頂きましたが、色々な科を転々とされてますよね。
検査も色々されてますね。シコリの原因が不明だっただけに仕方のない事ではあるのですが、
ご本人もかなりご不安だったでしょう。。(はい、とてつもなく不安でした。by母)
科が分かれてしまうと、見きれない部分、見逃してしまう事も多いのが現実です。
今回は皮膚の癌ですので、これからは皮膚科が全て担当し、皮膚科の依頼という事で
外科や放射線科に行って頂いたりしますね。(安堵。by母娘)

不安だった事(治療方針)を聞き、「良かったね、、いい方向に進んでるんだよ」と
後で2人で話をしました。

****************************************

12月17日

先生より正式なお話がありました。
手術が一旦中止になった事は昨日のお話の通りです。

母の行う抗癌剤治療は
「ウィークリー タキソテール」療法。(母の場合1回60mg)
前回外科で投与した塩酸イリノテカン療法と方法は同じです。
1週間に1度点滴、それを3週間。次の1週を休んで、また3週間。(これが1クールです)

昔の抗癌剤投与の方法は、一度にドカッと大量を体内に入れていたので、
副作用が多くみられたそうです。この方法も今もあるけれど、様子を見ながら負担の少ない
ウィークリー療法を取り入れるそうです。

タキソテール(一般名 ドセタキセル)は比較的新しい抗癌剤との事ですが、パジェット癌には
効果が出てると言う事なのです。
本来は乳がん、胃がん、卵巣がん、食道がん等に適応があり、パジェット癌には適応が無い
との事ですが、パジェット癌は「腺癌」であり、乳がんに準じて使用するとの事でした。

また、放射線治療も適用はあるが、外陰部〜骨盤への広い範囲に照射する事になってしまう為、
放射線の量の限度を超えてしまうという事なのです。

体に異常(高熱や血球数低下)がなく、
腫瘍マーカーの数値が下降してくれれば、
この方法で最低6クールしていくそうです。
効果が無い、異常がみられた等の場合は、他の方法へ切り替えるそうです。

毎週月曜日が投与の曜日に決定しました。
初投与は20日(月)になります。火・水と様子を見て、体調が悪くならなければ週末の帰宅が
許可されました。が、初めての投与だという事と、週末はお教室でゆっくりしていられないので、
今週末の一時帰宅はしないという事にしました。
今週の様子を見て大丈夫そうであれば、外来での投与(点滴)が可能なので、
年末に退院してもいいという事でした!!!

 


S整形外科→S胃腸科→S総合病院→大学病院

大学病院血液内科→外科及び婦人科、皮膚科、形成外科

 

Copyright(C) 2003 BRET MAMA  All Rights Reserved.